
最新作品「コレクション・フォー・ジ・アフェクション/マヴェリック」
MAVERICK / 堀田勝彦インタビュー:
過去2枚のアルバムをリリースし、その硬質なメタルサウンドで世界的評価を受けた堀田勝彦率いるマヴェリック。輝ける未来が約束されていた2023年に堀田が難病に罹患……。その莫大な治療費を捻出するためのクラウドファンディングのリターン音源が奇跡の正式リリース。劇的とも云える経緯を堀田勝彦が余すことなく語った。
Q:8/27に発売される、MAVERICKの『Collection For The Affection』はMAVERICKの今や入手困難な初期のデモ3作品『Maverick』(’94年)、『Under Fire』(’97年)、『Unfolds The Way』(’01年)を集めたアルバムです。まずはこのアルバムが完成し、一般にリリースされることなりました。今のお気持ちから聞かせて頂けますか?
堀田勝彦:当時、『Maverick』(’94年)は100枚、『Under Fire』(’97年)は1000枚、『Unfolds The Way』(’01年)は1000枚、製作した記憶があります。特に、1stデモが、インターネットでも、かなり入手困難です。殆どの曲が既存のアルバムとはアレンジ違いなので、ファンの皆様のために、もう一度、曲たちに日の目を見て欲しいと思いました。YouTubeで違法アップロードが多発されているこの時代を考慮してCD化を決意しました。今まで、知らなかった人々にも、あの頃の空気感が伝われば嬉しいです。
Q:今このアルバムがリリースに於いては、リーダーである堀田さんの突然の病が大きく関係していることは言うまでも有りません。もちろん仲間内や、ファンの皆さんは理解していると思いますが、今回、初めてMAVERICKや堀田さんを知る人も少なくないと思います。まずはMAVERICKがどんなバンドかおしえて頂けますか?
堀田:1988年に、札幌市にて自分が結成したパワーメタル バンド WARHELLを1991年に、MAVERICKに改名しました。WARHELLの頃は、スラッシーなスピード重視のパワーメタルでしたが、より幅広い音楽性のドラマティックなヘヴィメタルをコンセプトにMAVERICKを立ち上げました。現在のMAVERICKのムーディーでロマンティックな音楽性は、人呼んで、ロマンティック パワー メタルと言います。
Q:MAVERICKが活動を始めた当時の北海道のシーンはどんな感じでしたか?その後、バンドは東京でもライヴをするようになり、メジャーからアルバムもリリースしました。そのあたりの活動についてはいかがですか?
堀田:北海道も元々ヘヴィメタルだったバンド群が、ジャンルの細分化により音楽性を変えていき空洞化になりました。当時、よく対バンしていた地元のバンドは、SABER TIGER、FAST DRAW、CAPTURED、DIALL、ACID LOVE BITES、SILVER BACK、FATIMA HILL、HARKENKREUZ、SAMSARAなどですね。その後は、東京、大阪を皮切りに、日本全国津々浦々、徐々に回り始めました。誇り高きメジャーからアルバムもリリースした後も、特にスタンスは変わりませんでしたね。当時の北海道のヘヴィメタルバンドとしては、初の沖縄遠征や海外進出をしました。香港でポール・ギルバートとの共演、ドイツHEADBANGERS OPEN AIRに出演しています。
Q:堀田さんの音楽的ルーツ、そしてシンガーとして、ギタリストとして影響を受けてきたアーティストやバンドをおしえて頂けますか?
音楽的ルーツ:
堀田:物心ついた時、ポール・モーリア、ビリー・ジョエル、Boney M.、ARABESQUE、八神純子、久保田早紀などが、大好きで、現在の作曲に生かされています。更に、Duran Duran、Culture Club、Thompson Twins、シンディー・ローパーなどに、多大な影響を受けました。遂に、W.A.S.P.に衝撃を受け、HEAVY METALの世界に入り、特に、SILVER MOUNTAIN、EUROPE、RISING FORCEなどのスウェディッシュ メタルや、HELLOWEEN、ACCEPT、RUNNING WILDなどのジャーマンメタルの音楽性が血や肉なっております。
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影響を受けてきたシンガー:
ルー・グラム(FOREIGNER)
カイ・ハンセン(HELLOWEEN)
ロブ・ハルフォード(JUDAS PRIEST)
マイク・ハウ(METAL CHURCH)
ラルフ・シーパース(PRIMAL FEAR)
ジョー・リン・ターナー(RAINBOW)
レット・フォリスター(RIOT)
ビフ・バイフォード(SAXON)
ジョナサン・デヴァリル(TYGERS OF PAN TANG)
デイヴィッド・カヴァデール(WHITESNAKE)
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影響を受けてきたギタリスト:
ウルフ・ホフマン(ACCEPT)
ジェフ・ウォーターズ(ANNIHILATOR)
スティーブ・リップス・クドロー(ANVIL)
ジョン・サイクス(BLUE MURDER)
ジョン・ノーラム(EUROPE)
ジェイムズ・ヘットフィールド(METALLICA)
イングヴェイ・マルムスティーン(RISING FORCE)
ヨナス・ハンソン(SILVER MOUNTAIN)
ゲイリー・ムーア(THIN LIZZY)
ロニー・ル・テクロ(TNT)
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Q:そして堀田さんは2023年4月29日に、5年振りにMAVERICKを復活させる直前に「脊髄梗塞」という難病に発症されました。当時の状況と発病の状況がどんなものだったのか、おしえて頂けますか?
堀田:ある日、最初、両腕が急に痺れ始め、その後、その痺れが、両脚、更に、胴体の順に拡がっていきました。そして、SF映画のようにどんどん身体が変形していき、筋肉が硬直し肉体がリアルにHEAVY METALになってしまいました。首から下の部位を全く動かせない時期があり、自ら歩くことも立ち上がることも体勢を変えることも不可能でした。救急搬送された最初の病院では、非常に珍しい病気の為、病名が判らず、専門病院へ転院した時には、既に手遅れの状態でした。半年の入院期間を経て、身体障害者等級表による級別1級なりました。医師には、これ以上極端に回復する可能性は低く完治は難しいと宣告されましたが、決して諦めておりません。
Q:一般の方にはそれほど知られていないと思われます、難病・「脊髄梗塞」という病気についておしえて頂けますか?
堀田:脊髄の中の動脈が血栓で詰まり、首から下の脊髄神経が壊死しました。四肢麻痺や感覚障害があり、運動機能が低下し手足の感覚が鈍く全身に不完全な麻痺の症状があり、両手の指は普通に動かす事が不可能です。温度や痛みを伝える神経経路が主に障害され、首から下の部位全てが火傷のような感覚の症状があります。排尿や排便の障害があり、尿意や便意を感じにくくなったり夜尿症や失禁、自律神経の乱れ、睡眠障害の症状があります。
Q:そして病気の発症から2年が経ちましたが、現在のご様子はどんなものでしょうか。そして、どんな日々をお過ごしになっているのでしょうか?
堀田:地獄のような日々です。階段の歩行は危険ですが、杖使用でゆっくり歩けるまでは回復しました。ロフストハンドという形状の杖を使用しています。ウルトラマンレオ登場時のMACのモロボシ・ダン隊長と同じ形状の杖でテンションは上りますが、現状は、普通に日常生活をおくる事がかなり厳しい状態です。普段は、日々リハビリを続けております。両手が、まともに動きません。この文章も全て親指のみで打っています。あと、難病治療の為のクラウドファンデイングのサイトの構想、作成、宣伝などもしています。
Q:そして今年、再生医療・「幹細胞治療」プロジェクトとして行ったクラウドファンディングについておしえて頂けますか?
堀田:再生医療とは、再生する力を用いた最新の治療法です。ケガや病気などにより機能障害に陥った組織、臓器、細胞などを元通りに戻すために、ヒトが持っている『幹細胞』を用います。幹細胞治療とは、自分の体から採取した幹細胞を人工的に培養して増やし、投与で身体に戻す方法です。現在の日本では保険適用外で自由診療となり、莫大な治療費を要し1千万円を超える事も珍しく無いのです。その為に、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げました。幹細胞治療を実施した後、劇的な回復が見込めるケースもあります。過去2回のクラウドファンディングの支援者様、応援者様の皆様には、感謝しか無いです。この場を借りまして、お礼を言わせてください。どうもありがとうございました。クラウドファンディング立ち上げに伴い、本当に有難い事に、世界中の沢山の方々に協力して頂きました。親友のHELLOWEENのカイ・ハンセン、崇拝しているSILVER MOUNTAINのヨナス・ハンソン、仲間のRIOTのフランク・ギルクライスト、大御所のRAVENのジョン・ギャラガー、他。そして、現Screamin Soul Demonで元ANTHRAXのニール・タービンは自分の為に曲を作ってくれて、今でもライヴで演奏しています。彼は誕生日が同じなので、特別な存在です。皆様に、感謝しております。彼らの動画はMAVERICKのYoutubeチャンネルで視聴可能です。再生医療・「幹細胞治療」のため、あと1千万円以上必要なので次回のクラウドファンディングを予定しております。以下の日程になります。
2025/09/16~2025/12/15
https://for-good.net/project/1002106
更に、全国の仲間が支援ライヴをしてくれました。【HOTTER THAN HELL】 MAVERICK堀田勝彦闘病支援イベントと題し、全国に波及しております。
2025年2月23日に静岡の富士ANIMAL NESTで行われました。その後は、以下の予定で実施されます。
2025/11/01 札幌 VyPass.
2025/11/29 福岡 PEACE
Q:そのクラウドファンディングのリターンのグッズの1つとして今回のアルバムが企画され、CD化されました。このアルバムの誕生の経緯と、どのような制作過程があったのかおしえて頂けますか?
堀田:初めは、病床なのもあり、クラウドファンディング用のみのCDとして、シンプルなものを制作する予定でしたが、折角なんでブックレットも含めMAVERICKの歴史的な意味合いの作品を残そうと思い、皆様にお届けしたいと考えまた。
Q:アルバムに収録されている3本のデモについて伺います。それぞれの当時の状況、そして曲作りの過程などおしえて頂ければ幸いです。
『MAVERICK』(’94年):
堀田:この頃は、あえて速いテンポに頼らない曲を作りました。手探り状態で細部まで拘り試行錯誤しましたね。結構、当時の時流のバンドを意識していました。

『Under Fire』(’97年):
この頃は、ツインギターからシングルギターになりました。シングルギターでも曲が平面的ではなく立体的な音楽性のバンドを聴きまくり、アレンジを研究しました。曲の音数を減らす方法論でシンプルなバッキングになりました。

『Unfolds The Way』(’01年):
この頃は、新しいスタイルの叙情性を重視するバンドが台頭する中、ようやく今のMAVERICKのスタイルが確立されました。美しい叙情的メロディー要素があるパワーメタルではあるが、ネオクラでもなくメロスピでも無い。
押すメロディーでは無く、引くメロディー。ジャズバラードやシャンソンのような虚しく冷たい空気感の曲を熱苦しく押しまくる音像。これ、すなわちロマパワです。

Q:堀田さん自身が今、想うこと、そして今後の希望や願望についてもお訊きできれば幸いです。
堀田:完治します!!!いつの日か必ず! 私は障がいを克服し絶望の淵から這い上がり再び舞台に立ちたい!それにつきます。闘病中も、HEAVY METALに勇気付られました。今回のアルバム収録曲の「Make My Stand」の歌詞を読み直し、己を鼓舞しております。
Q:一刻も早い回復を祈っております。最後になりますが、メッセージなどございましたらお願い致します。
堀田:障がい者になり、今まで気づかなかった事が沢山あります。自分よりもっと苦しんでいる人たちが世界中に沢山いる事も実感しております。オジー・オズボーンも脊髄を損傷し、残念な結果となってしまいました。先日の”Back to the Beginning”のライヴの後、オジーがリハビリする動画を見て勇気つけられたばかりだったのに、本当に悲しいです。もし、人生の壁にぶち当たっている方が居たら自分の可能性を信じて下さい。道のりは遠いですが、私は自分の可能性を信じます。このアルバムは、私の生き様です。是非、聴いてみて下さい。Unfolds The Way !!!!!
Q:今日はありがとうございました。











