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17.06.19

【INTERVIEW】細谷紀彰

  世界を股にかけ活躍するコンテンポラリー・ジャズ・ベーシスト細谷紀彰(ほそやのりあき)。バークリー音楽大学在学時にヨーロピアン・ジャズに魅了され、卒業後に単身ドイツへ。6年間の活動を経て制作したヨーロッパ初収録リーダーアルバム「Eye of The Day」が7/2(日)にリリースされる。また、ai kuwabara trio projectでもお馴染みのベーシスト森田悠介(もりたゆうすけ)とのデュオアルバム「Wurstkäse」(ヴルストケーゼ)も同日に発売される。

 正直なところ、日本国内での活動期間の短さから彼をご存知でない方は少なくないかもしれない。しかし、今やアーティスト界隈、取分け国外において"Noriaki Hosoya"の知名度や評価は見過ごせないものとなっている。そんな注目の次世代を担うベーシストが、ついに拠点を日本に移すということで、今回のアルバムの制作についてなど色々聞いてみた。


インタビュー・文 佐藤真吾(Ratspack Records)

Q1. まずは簡単な自己紹介をお願いします。

静岡生まれからボストン、東京、ベルリンを経由して現在東京を拠点に活動している蠍座B型ベーシスト/コンポーザー/アレンジャーの細谷紀彰です。

Q2. 7/2(日)に、Noriaki Hosoya European Trioとして『Eye of The Day』を、また、同じベーシストの森田悠介さんとのデュオ作『Wurstkäse』の2タイトルが同時発売をされますが、それぞれのアルバムのコンセプトを教えて頂けますでしょうか?

僕名義のEuropean Trioでは、ほぼ全曲僕自身の曲を演奏している事もあり、より自分がリーダーという意識が強いですね。 もともと大好きな編成のピアノトリオを、憧れ続けてきたヨーロッパのミュージシャンと一緒にレコーディングしたらどうなるのか、という夢を叶えるレコーディングになりましたが、単純にヨーロピアン・ジャズと一口で括れないような、ミュージシャンそれぞれの個性が上手くブレンドした作品になりました。

森田さんとの『Wurstkäse』は共同プロジェクトですので、お互いの曲を持ち寄っての作品になりました。 コンセプトとしては、ベースデュオという事もありますので、当然ベース2本(と、曲によってはドラム)という、一般的に想像されるメロディー楽器やコード楽器がいない中でどこまで表現出来るか、という、ある意味で自分の限界を広げるチャレンジでした。

どちらのアルバムにも言える事ですが、ベーシストとしての自分が表現されている事は勿論ですが、それよりもアーティストとしての自分が強く出ていると思います。

Q3.『Eye of The Day』では"My favorite things"以外のすべてを作曲されています。普段どのようなプロセスで曲作りをされていますか?

僕の中では曲作りのパターンは2通りあって、コンセプト先行で出来るパターン(メロディーやコードや曲調から作っていく)と、イメージ先行パターン(タイトルなどが先に決まっていて、それに音を描いていく)があります。 日常や旅先でのインスピレーションなどから曲を書く時は後者、アルバムやライブで「こんな曲が足りないなぁ」なんていう時は前者(苦笑)で作曲しているのですが、後々になっても気に入っている曲は圧倒的に後者のパターンで出来た曲が多いですね。 今回、両アルバムに収録されている曲もほぼ全て後者のパターンです。


NORIAKI HOSOYA - CHORD SOLO BASS | BassTheWorld.com

Q4.今回のトリオに参加しているTeun VerbruggenさんとAnne Wolfさんについて教えてください。

AnneもTeunも、どちらも素晴らしいミュージシャンシップを持った尊敬する音楽家です。

Anneはとても朗らかでストレートで、レコーディングに対してもまるで自分のアルバムかのように誠実に取り組んでくれて、僕よりアルバムの収録曲の事を知っているのではないか、と思う程です。 Teunはエクスペリメンタルなプロジェクトでも沢山演奏していて、発想が本当に柔軟です。一般的なジャズ・ドラマーでは考えられないような間口の広いアプローチでアルバムに彩りを与えてくれました。

Q5. 『Wurstkäse』はベース2名によるとても珍しい作品だと思います。特にこだわった点はありますか?

自己満足的なアルバムにはしたくない、ベーシストだけが聞いて楽しいアルバムではなく一般の人にも喜んでもらえるアルバムにしたい、という事です。 同じ弦楽器のギターデュオの雰囲気がそのまま1オクターブくらい下がったような、僕の中ではそんなイメージです。

Q6. バークリー音楽大学を卒業されて、2010年からドイツはベルリンに住まれました。細谷さんが気に入っていたおすすめのスポットなどはありましたか?

ベルリンの中で特にここがお気に入り、という所はすぐに思い浮かばないです。ですが、ベルリンは地域によって雰囲気が違うので、ドイツの他の都市や、ヨーロッパの他の国では見られないような、他言語が飛び交って様々な文化が混在している街全体の雑多な感じは、帰国して一年ほど経つ今、懐かしくなります。

Q7. 今回2タイトルとも一曲目が"Haifa"という曲で、これはイスラエルの都市の名前と聞いていますが、世界各国を周られて印象的だった国やそこでの出来事はありますか?

曲にもするくらいですので、やはりイスラエルでしょうか。 極端な話ですが、ヨーロッパは僕たち日本人のイメージする欧米の文化なので、既視感はありました。しかし、初めてイスラエルに行って、ヘブライ語やアラビア語が全く分からないし、街の雰囲気も今まで知っていたものとは違います。イスラエルは特に歴史的にも文化的にも複雑な国ですので、凄い所に来たな、と思ったのを覚えています。 2回目にイスラエルに行った時には、マサダ要塞やエルサレムにも連れて行ってもらいました。その時に死海で浮かんだ時に出来た曲がWurstkäseのアルバムにも収録されている"Salty Fish Floating In Salty Sea"です。

先ほど作曲スタイルについても書きましたが"Haifa"はまさにイメージ先行ですね。

帰国した後にトルコのジャズフェスティバルで演奏する機会があり、2016年にはトルコにも行ったのですが、こちらも素晴らしかったです。その後トルコの曲も書きましたし(両アルバムともに未収録)是非また行ってみたいです。

Q8. 細谷さんの好きなアルバムを教えて下さい。

『Eberhard Weber / Silent Feel』

僕の人生を決定付けたといっても過言ではないアルバムです。 僕の最も尊敬するドイツ人ベーシスト/コンポーザーのEberhard Weber氏のECMからのアルバムで、学生時代にこれを聞いてプレイスタイル、作曲スタイル全てが変わりました。 このアルバムがなかったらドイツに住んでいなかったと思います。


『Avishai Cohen / Seven Seas』

Avishai Cohenはどのアルバムも好きですけど、これを聞く事がいちばん多いです。 Falafel Jazzとも呼ばれるイスラエルのジャズの雰囲気を広めたのは間違いなくAvishai Cohenだと思いますし、アルバムの中の中東の「匂い」も、僕の中ではこれがいちばん好きです。

『Tigran Hamasyan / Mockroot』

元ロック/プログレ小僧の血が騒ぎます(笑)。 ジャズの新しい音を感じる、と言ってしまえばそれまでですが、彼のアルバムからも変拍子などの要素は感じられるのですが、それ以上にアルメニアの空気を感じます。(アルメニアには行った事がないので、想像を膨らませながら聞いています。)


Q9. 最後に、今後の予定を教えてください!


6月末にレコーディングをするピアノトリオ+ゲストでヴィブラフォンが数曲参加するアルバムを近々発表出来ると思います。
それ以外にも、2016年にハンガリーでレコーディングしてきたピアノトリオのアルバム、現在アルバム収録予定の曲のうち半分を録り終えているドイツのFalk Bonitz Trioの2ndアルバムも、近いうちにリリース出来るように頑張ります。


ありがとうございました!


■細谷紀彰
アメリカ・ボストンのバークリー音楽大学でMatthew Garrison、Greg Hopkins にそれぞれベース・作曲を師事した後、2006 年に同校Performance 科、ジャズ作曲編曲科を卒業。2010 年よりドイツ・ベルリン在住。2011 年よりシンガーRachelle Jeantyのバンドの音楽監督及びベーシストを兼任、2016年トルコの代表的なジャズフェスティバルAlanyaJazz Festival に出演。これまでに2010 年に日本にて自身初のリーダーアルバム『NoriakiHosoyaTrio Landscapes』をリリース。2016 年、日本に完全帰国。東京に活動の拠点を移す。エレキベーシスト森田悠介と実験的ベースデュオユニットWurstkäseを結成。ベースマガジンに掲載される。オランダの楽器メーカーAdamovic及びVanderkleyAmplification、ポーランドの楽器ケーブルDL Cables のエンドース・アーティスト。

HP: http://www.noriakihosoya.com/
Twitter:@noriaki_hosoya
Instagram:@noriakihosoya

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