いまスタイリッシュNo.1のピアノトリオといえば、コジカナツル。ジャズの世界に収まりきらない奔放なグルーヴ・フィーリングは、高感度人種のハートを捉えて離さない。
サードアルバムは、ゲストに日野晧正グループのサックス奏者、多田誠司&シークレット・ゲストに、あのフリューゲル奏者が参加して、全9曲からなる珠玉のスタジオ・レコーディングをお届けします。
演奏はもう聴いていただくしかない。イントロの金澤のソロ。ウッドベースをギターのように弾きこなし、ベースなのに重音がにごらない。ウッドなのにエレキベースのスラップ奏法のように弦が指板を打つ。激しい演奏の連続で「ピアノはチューニングが狂って、もうよれよれ」と言っていた小島は、いたわるように切なく、優しい音で弾き始める。それを強力なリズムの2人が盛り上げる。この合奏の楽しさがコジカナツルだ。小島がハーモニーを重ねてゆく旋律は魂をゆさぶって熱い。鶴谷の正々堂々のドラムは向かうところ敵なし。レコーディングの(そしてアルバムの)最後を飾る素晴らしい演奏になった。 60年代のロックの爽快さも感じる。「昔の俺は年寄だった。今はずっと若いぜ」と叫ぶディランの原詞が伝わってくるようだ。この演奏を3人が収めてくれたことを、多くの音楽ファンとともに喜びたい。(中島泰)<