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J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番、パルティータ第2番 / 三戸素子
title J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番、パルティータ第2番
artists 三戸素子
label ウッドノート・スタジオ
url http://www.woodnotestudio.com/
price ¥2700+税
release 2021/10/1
format CD
cat.no WNCD-1048

ヨハン・セバスチャン・バッハ
Johann Sebastian Bach (1685 -1750)
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005
Sonata Nr.3 fürViolinesolo BWV1005
アダージョAdagio
フーガFuga
ラルゴLargo
アレグロ・アッサイAllegro assai
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004
Partita Nr.2 fürViolinesolo BWV1004
アルマンドAllemanda
クーラントCorrente
サラバンドSarabanda
ジーグGiga
シャコンヌCiaccona

三戸素子のバッハ探求がここに。

今世紀に入ってからずっと、三戸素子さんのバッハを聴き続けている。
それは従来までの「新しい」「古い」の概念を寄せ付けない。
私は彼女からバッハを教わった。たぶんこれからもそうだろう。
渡辺和彦(音楽評論家)

●演奏にあたって
2003年から毎年、無伴奏バッハを演奏するようになってかなりの年月が経過した。
ヴァイオリニストは皆、子供の時からバッハを弾きやすいものから順に勉強する。ところが私は、日本の音大を卒業しヨーロッパに行ってまもなく、バッハの勉強が途切れてしまった。ちょうど「古楽ブーム」が起こっていた時期で、私の留学先ザルツブルグは、ウィーン古楽の旗手N.アーノンクールが教鞭をとっており、まさにその中心地のひとつだった。そこでは16世紀頃から18世紀頃までの演奏スタイルの時代考証が盛んに行なわれており、それまで常識とされていたバッハの演奏スタイルはすべて否定され、新しいスタイルが模索されていた。誰もが何が正しいバッハなのかわからなくなっており、教授たちは誰もバッハをレッスンしなくなった。私もそのまま古いスタイルで弾き続けることはできなくなり、そうかと言って確立されてもいない新しいスタイルで、確信をもって演奏することは不可能だった。
ブームが落ち着きはじめ、既成概念の否定の必要がなくなった頃、またバッハを勉強できそうだと思える時が来た。それが2000年になってからだった。再開した当初は、やり残していた難曲がいくつもあり、演奏会ひと晩に必要な3曲の準備をするのに何年もかかった。そのうち曲にはね返されるような絶望感から、年月を経て少しずつ曲の内部に入っていけるようになり、やっと曲のおおまかなレイアウトが把握できるようになってきた。
しかし天才バッハの、それも最上級の作品をそう簡単に手中にできるものではない。毎年、湧き上がる欲求のままに「古典舞曲のリズム」「古楽器の調弦」「調性のもつ個性」「声部の分離」などのテーマで勉強をしてきた。一度にたくさんの音が出せる鍵盤楽器とは違い、単旋律楽器のヴァイオリン。非情にも多声部で書かれたこの音楽の、その一音一音に込められた色や役割を探り、表現できるようになるため多くの時間を費やしてきた。しかし私が思ったような、整然と音楽が明快になり句読点がはっきりするようなところには、なかなか到達しない。練習の過程で発見した、今まで埋没してわからなかったたくさんの美しいパーツを、万華鏡のようにちりばめるつもりだった。それなのに、より個性的に強く切り出された音に翻弄され、コントロールしきれずに途方にくれている自分がいる。
私の構想は全6曲のこのソナタとパルティータを、従来の一曲ずつ切り離された「曲集」として捉えるのではなく、6曲通して初めて出現する「大曲」として演奏することである。しかし長年やってきてここ数年は、細部だけ取り出しても際限なく課題は出現し、難しいところはいつまで経っても難しいままだと、あらためて感じるようになってきた。今までのアプローチから身を引き剥がして、次の段階を見つけなくてはならない。
それでこの段階のランドマークとして、今回この「大曲」の心臓部であるソナタ第3番と、パルティータ第2番を録音することにした。
今のヨーロッパのバッハ演奏の主流では、古楽の方向がもう一歩進んだ、当時の即興演奏の要素を取り入れ、新たな揺らぎや空間装飾を作り出す試みがなされている。私も演奏の途中でふっと、こんな装飾を入れてみたいな、というインスピレーションが湧くことがある。しかしこの録音にはその要素は全く入れていない。バッハの残した手書きの楽譜という設計図を手に、いかに立体を構築するかという課題にのみ取り組んできたからである。
今後も、新たな気持ちでバッハに向かい、運が良ければ、全6曲を大伽藍のように組み上げ、演奏できる境地に近づきたいと思う。
三戸素子

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